学資保険とは~保険のプロが仕組みと8つの特徴を分かりやすく解説

学資保険とは~その仕組みと8つの特徴を解説!

進学する学校や学科にもよりますが、子供の進学にかかる費用は子供一人当たり数千万ともいわれています。

将来発生する高額な学費を準備するための一つの方法として多くの人に選択されているのが学資保険です。

子どもの学費をこれから貯めたいと考えているけれど、学資保険に入った方がいいのか悩んでいる人も少なくないのではないでしょうか。

学資保険は必要だという人もいれば、不要だと考えている人も。

貯金やほかの保険と同じく、学資保険にもメリットやデメリットがあります。

今回は、学資保険の仕組みとメリットやデメリットにまつわる7つの特徴をご紹介します。

学資保険の基本的な仕組み

学資保険は、子供の進学費用をまかなうことを目的とした保険です。

商品によって満期の時期を選ぶことも可能で、社会人になる22歳のタイミングを満期にできる商品もあります。

ただ多くの場合、一時的に最も資金が必要となりやすい大学入学時を満期に設定する人が多いようです。

また、大学だけではなく中学入学時や高校入学時にお祝い金として一時金を受け取れるプランもあり、各家庭の状況に合わせていろいろなプランを選ぶことができます。

学資保険には貯蓄型と保障型がある

学資保険は大きく分けて「貯蓄型」と「保障型」に分かれます。

貯蓄型の学資保険は返戻率が高いのが特徴で、満期に受け取る学資金は払い込んだ額よりも大きくなるのが一般的です。

一方保障型は、貯蓄型に比べて返戻率が低く、元本割れする商品も多くありますが、医療保険や死亡保険金が受け取れたり、子供だけでなく親の保険がついていたりする商品もあるため、万が一の時にも安心度が高いのが特徴です。

学資保険で押さえておくべき4つのメリット

まずは、学資保険に加入することで得られるメリットをご紹介します。

満期時にプラスになり、資産を増やせる

子供の学費というまとまった資産を形成することが第一の目的となる学資保険。

やはり一番のメリットは、返戻率が高いことです。

特に貯蓄型学資保険なら、保険が満期になると、元金に一定の割合がプラスされて返ってきます。

中には返戻率が110%近くになる学資保険も。

銀行に預けてもほとんど金利がつかない今、返戻率の高さは大きな魅力です。

生命保険料控除の対象となる

確定申告や年末調整の際には、医療費や生命保険、社会保険などを所得額から控除することができます。

払い込んだ学資保険も確定申告時に生命保険料控除の対象となるため、結果的に所得税や住民税の課税額が減るという効果が期待できます。

生命保険や介護保険などと組み合わせれば、最大12万円も控除が受けられることも。

万が一の備えになる

学資保険は、妊娠期間から加入する人も少なくありません。

子どもの大学入学を満期とする場合、18年以上という長い間保険に加入することになります。

あってはならないことですが、その期間中に親に万が一のことが起きる可能性も否定できません。

経済的に苦しいのに、毎月保険料を支払い続けるのはやはり負担が大きいものですが、学資保険に加入後、契約者となっている親が亡くなった場合や高度障害によって働くことができなくなった場合などには、それ以降の保険料の払い込みが免除される学資保険が多く出ています。

例えば、毎月2万円の保険料を子供が18歳になるまでの18年間払い込むという契約で学資保険を契約し、子供が8歳になった時に親が死亡した場合、それ以降10年間で払い込む必要があった240万円については払い込みが免除されるのです。

もちろん保険料の払い込みが免除になったあとでも学資金を受け取ることはできます。

強制的に貯蓄できる

大学資金に数百万かかるといわれても、子供が小さいうちにはなかなかピンとこないものです。

子供が小さいうちから計画的に貯金ができる人は問題ありませんが、貯金を始めてもどうしても「その時に必要な資金」をやりくりするために切り崩してしまってなかなか計画的に貯められない人も少なくないのではないでしょうか。

学資保険は毎月一定額が引き落としになるか、年払いなどでまとめて支払うことになるため、お金を貯めるということについてある程度強制力が働きます。

途中で解約すると元金割れするため、途中解約のハードルが高いところもメリットの一つです。

知っておきたい4つのデメリットやリスク

メリットも多い学資保険ですが、デメリットやリスクもあります。

大切なのは、デメリットやリスクをしっかり把握した上で自分にとって最適な保険を選ぶことです。では、デメリットやリスクについてみていきましょう。

長期間資産を固定され、換金性が低い

強制的に貯金がしやすい学資保険。

この性質はメリットでもありますが、デメリットにも働きます。

学資保険の多くは子供が大学に入学するタイミングを満期とするものですが、そうすると18年もの間資金を自由に使うことができなくなります。

手元にある貯金であれば、家族に万が一のことがあったときに自由に引き出して必要な費用に充てることができますが、学資保険の場合はそうはいきません。

学資保険に加入したままでも契約者貸付制度を利用することはできますが、貸付なので利息がかかります。

また、借入可能額が制限されていたりと、保険によって使い勝手が変わります。

途中解約すると元金割れしてしまう

大学入学を満期にしていたが、高校で留学することになり、留学費用に学資保険を充てたいなど、満期よりも早い段階でまとまった費用が必要になることもあります。

こういった場合に学資保険を途中解約すると、多くの場合元金割れを起こしてしまうため注意が必要です。

解約返戻金は契約期間が短いほど低い計算になっており、元金割れしないプラスに転じるまでには10年近い契約年数が求められることも少なくありません。

固定金利なのでインフレに弱い

満期時の返戻率は契約時点で決まっており、基本的に契約期間中に返戻率が変わることはありません。

定期預金などと同じく保険に関しても市場の景気の影響をある程度受ける学資保険。

将来的に景気が悪くなったとしても返戻率に影響が出ないのはメリットですが、逆に将来的に景気が良くなり、同じ保険でも返戻率が上がっているような場合にも影響を受けることはありません。

このようにインフレに弱いのも、長期契約が基本である学資保険のリスクといえそうです。

加入期間が限られている

一般的な終身保険や生命保険は、基本的にいつでも加入できます。

しかし学資保険の場合、他の保険に比べて返戻率が高いなどのメリットが高いこともあり、加入時期が限定されているのが特徴です。

例えばソニーの学資保険であれば子供が3歳になるまでは加入が可能ですが、4歳以上になると加入できません。

また、早い段階から学資保険に加入したいと思っても、独身時や妊娠前などは基本的に加入ができません。

そのため、学資保険に加入するかどうかはある程度早い段階で検討しておく必要があります。

学資保険で押さえるべき5つのポイント

学資保険のメリットやデメリットをご紹介しました。

得られるメリットの方が大きいと感じたら、学資保険に加入して上手に活用したいもの。

学資保険を選ぶときに悩みがちな5つのポイントについて解説します。

加入するタイミングはいつがいい?

多くの人が、子供が0歳のタイミングで学資保険に加入しています。

中には妊娠時から加入できる学資保険もありますが、加入が早ければそれだけ保険料の払い込みが早く終えられます。

また、子供が生まれてしばらくは、育児に忙殺されてなかなか落ち着いて保険のことを考えるゆとりがないことも。

しかしデメリットのところでも説明した通り、学資保険の多くは子供の年齢によって加入期間が決められています。

忙しくてなかなか考える時間が取れず、「もう少し先でいいや」と先延ばしにした結果加入できなくなるという事態は避けたいもの。

できれば、妊娠のタイミングである程度検討しておきたいところです。

医療特約などの特約はつけたほうがいい?

保障型学資保険なら、医療特約や傷害特約などの特約をつけることができます。

医療特約をつけておくと、ケガや病気による入院時に保険金を受け取れるため、もしもの時に安心です。

ですが、医療特約をつけることによって余計に保険料がかかり、結果的に元金割れしてしまうことも。

必要に応じて外すことができるかどうかなど、商品の特徴をしっかり吟味する必要があります。

学資保険には税金がかかる?

学資保険が満期になるとまとまった額の学資金を受け取ることになります。

実はこの時に税金が課税されることがあるので注意が必要です。

かかる可能性がある税金は、所得税か贈与税の2つです。

学資保険の契約者が学資金を受け取る場合は所得税、契約者以外の配偶者や子供が学資金を受け取る場合には、贈与税がかかる可能性があります。

・所得税が課税される場合

学資保険の契約者が学資金を受け取った場合、学資金は「一時所得」または「雑所得」という扱いになります。

一時所得の場合は特別控除額の50万円があるため、払込額と受け取った学資金の差額が50万円を超える場合に、超えた分の1/2が課税対象となります。

例えば、180万円を払い込み、満期に受け取った学資金が230万円の場合は非課税ですが、240万円を受け取った場合には、240万円–180万円−特別控除50万円=10万円となり、10万円×1/2=5万円が課税対象となります。

学資保険に加入し、満期以外のタイミングで定期的に受け取れるお金のことを学資年金と言います。学資年金は雑所得扱いとなり、特別控除は適用されません。

サラリーマンなどの給与所得者の場合、他に雑所得がなければ20万円未満であれば確定申告の必要がなく非課税となりますが、自営業者の場合は該当しないため、注意が必要です。

・贈与税がかかる場合

契約者以外の人が受取人になって学資金を受け取る場合、学資金が贈与とみなされ、贈与税がかかることがあります。

贈与税は年間110万円の基礎控除がありますので、学資金が110万円未満であれば非課税、それ以上であれば課税対象となります。

満期の学資金が110万円以上になる場合は、受取人を契約者にしておくほうが無難です。

より利回りを高くするためには?

より有利に学資保険を活用するために押さえておきたいのが、利回りをいかに高くするか、いかに損をしないように運用するかではないでしょうか。

利回りを上げるためには返戻率を高くすることが重要ですが、ポイントとしては①払込期間を短くする②月払いではなく年払いにする、または一括払いにするという2点です。

一般的に、保険料の設定は分割払いよりも一括払い、月払いよりも年払いの方が価格が低く設定されています。

そのため、長期間の分割払込みにするよりも短期間に払い込んだ方が、最終的な払込総額が低くなり、返戻率が上がるのです。

契約者に既往歴があると加入できない?

いざ学資保険に入ろうとしたときに大きな病気にかかってしまった、過去に既往歴がある、というケースでは、学資保険にそもそも加入できるのか不安に感じてしまうものです。

一般的な生命保険や終身保険の場合、契約者に既往歴があれば一部不担保となったり、保険によっては加入を断られてしまいます。

多くの学資保険も同様で、実際に病歴があるために加入を断られたケースも多く散見されます。

対策としては、契約者を変える、または加入できる保険会社を探すといった方法になります。

ちなみに、子供に既往歴がある場合は契約者の既往歴よりも問題になりにくく、医療特約などをつけなければ大きく問題になることもありません。

ソニーの学資保険でも、子供の既往歴については告知不要となっています。

学資保険以外で貯蓄する方法と比較してみよう

学資保険を申し込みにいったら、代理店などから終身保険を勧められた。

子供保険と学資保険で迷っている。

というように、他の商品や貯蓄方法と学資保険を迷うこともあります。ここでは、終身保険などの他の商品と学資保険の違いを簡単にまとめました。

終身保険と学資保険

終身保険とは、その名の通り保障が一生涯続く保険です。

被保険者が死亡したり高度障害になったりした場合、一生涯に渡って保険金が受け取れる仕組みです。

契約者に万が一のことがあった場合に払い込みが免除になることも学資保険と共通しています。

学費が必要になるまでに払込みを終えておけば、任意のタイミングで高い返戻率の保険金を受け取れるというメリットも。

さらに、学資以外の資金に保険金を当てることができることもメリットの一つです。

子供の学費を他の資金でまかなえたり、進学自体をしない場合には、終身保険ならば解約せずにそのまま置いておくこともできます。

一方デメリットとしては、学資保険に比べて一般的に返戻率が低いこと。

例えばソニーの終身保険の場合、8,673,000円の払い込みに対して払込完了時の解約返戻金は800万円です。

それから5年後でも解約返戻金は834万円となっており、元金割れの期間が続いていることがわかります。

養老保険と学資保険

養老保険のメリットとしては、終身保険に比べると解約返戻金が高めなこと。

とはいえ終身保険と同じく、満期から一定期間を経なければ返戻率が100%を超えないものがほとんどです。

学資保険の返戻率に比べると低いと言わざるをえません。

また、終身保険と違って満期になった後の保障がありません。

学資保険の代わりに養老保険に加入しようと考えているのであれば、慎重に検討したほうが良いかもしれません。

貯金と学資保険

学資保険は長期的に資金を抑えられるため、自由なタイミングで資金を使えるようにしておきたい場合は貯金も有効です。

しかし貯金の場合は金利の低さがデメリットとなりそうです。

2018年時点での定期預金の金利は概ね0.020%前後となっており、高くても0.1%前後です。

仮に金利を年0.020%とした場合、300万円を10年間預けても、受け取れる利息は税引き後で年間478円、10年間で約5,000円程度にしかなりません。

定期預金は元金割れはしませんが、元金以上のリターンを見込むのは難しそうです。

学資保険と奨学金

学費を賄う手段としては、奨学金という方法もあります。

奨学金の中には返済不要なものもあるため、選択肢の一つとして加えておくのも一つかもしれません。

ただ、学資保険が貯蓄であるのに対し、返済義務のある奨学金は基本的に借入です。

さらに契約者は子供本人になるため、返済が必要な奨学金を利用した場合返済義務はこども本人にのしかかってきます。

他にも、奨学金が降りるための条件が厳しいことが多いため、奨学金を完全にあてにすることは難しいかもしれません。

こども保険と学資保険

学資保険について調べていると、「こども保険」という単語を目にすることがあります。

こども保険というのは、子供のための保険全般を指す保険です。

こどもがケガや病気にあったときに備える医療保険もこども保険ですし、学資保険もこども保険の一部です。

まとめ

学資保険について、その仕組みと8つの特徴についてご紹介しました。

子供が社会人になるまでにかかる学費は決して安くはありません。

学資保険の特徴をしっかり理解して、上手に活用してくださいね。

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