知ってて入れば怖くない!学資保険5つのデメリットと対策を保険のプロが解説

超低金利時代の今、お子さんの教育資金を貯めるのに人気の高い学資保険。

約半数の家庭が加入しているというデータも有り、お子さんが生まれたばかりの家庭では資料を取り寄せたりして真剣に検討していることだと思います。

ただ確かにメリットの多い学資保険ですが、デメリットが無いわけではありません。

それどころか気をつけないと期待したとおりの学資金を受け取れないこともあります。

そこでこの記事では学資保険の5つのデメリットを解説し、またその対策もお伝えします。

これさえ読めば学資保険への不安感は解消、怖いものなしです。

どうぞ最後までお付き合いください。

デメリット1 全ての場合に返戻率が高いわけではない

高い返戻率(預けたお金が何%戻ってくるかの比率。

100%を越えれば増えて戻ってくる)が魅力の学資保険ですが、実は契約する保険会社や商品、そして学資金を受取る時期で返戻率は変わってきます。

時には100%を切る=元本を割る可能性も。

ここではそんな期待した返戻率が実現できないデメリットを解説します。

病気やケガなどの保障が手厚い学資保険は返戻率が低い

教育資金を貯める貯蓄目的がメインの学資保険ですが、子供が対象ということで、病気やケガをした場合に見舞金としてお金が出るタイプもあります。

また契約者である親に万が一があった時の死亡保障をセットにした商品もあります。

ただこれらの商品の返戻率はほぼ確実に100%を割り込みます。

つまり預けたお金より減って戻ってくるのです。

理由は簡単。

余分な医療保障や死亡保障がついているからです。

保険会社も無料で付けるわけにもいかないですから、その分本来の学資金から引かれてしまうのです。

学資保険はシンプルなものを選びましょう。

中学・高校の入学時など複数回学資金を受け取るプランは、返戻率が低い

満期である18歳の時だけではなく、中学・高校への進学時、入学祝い金として学資金の一部が支給されるプランがあります。

私立中学・高校へ進学する場合など、非常に助かるプランですが、18歳時に一括で学資金を受取るプランに比べると返戻率は落ちます。

契約者から預かったお金を保険会社は運用して増やすわけですが、ノンストップで18年間運用できる場合と、途中で少しずつお金を戻さなければならない場合では、当然前者の方がお金は増えます。

したがって返戻率が高くなるわけです。

ただ受取時期は大切な問題です。返戻率ばかりにとらわれないことをおすすめします。

【対策】無理のない短期払いで返戻率アップ 他の保障は切り離そう

・返戻率を上げる方法として保険料の払込期間を短くするというものがあります。

負担のない範囲で、出来るだけ早く払い終わってしまうということです。

ソニー生命の学資保険でシミュレートしてみましょう。

契約者:男性30歳/被保険者(子供):0歳 月払い 22歳満期

(Ⅰ型:中学・高校・大学入学・大学卒業時に学資金が受け取れるタイプ)

払込期間 払込方法 保険料/月 総支払保険料 受取総額 返戻率
10年 月払 23,012円 2,761,440円 286万円 103.56%
18年 月払 15,642円 2,815,560円 286万円 101.57%

ソニー生命 学資金準備スクエアより

払込期間を18年から10年に短縮すると返戻率にして約2%、金額にして約5万円の差がでてきます。

・また医療保障や死亡保障は必要であれば別途契約することをおすすめします。

そもそも中学生までの子供は医療費はほぼ無料ですし、親の死亡保障も掛け捨ての定期保険にすればコストを抑えて加入できます。

デメリット2 金利上昇やインフレに対応できない

超低金利、デフレ時代といわれて久しいですが、この状態がいつまでも続くわけではありません。

そんな時学資保険は対応できないというデメリットがあります。

超低金利時代はいつまでも続かない

現在の超低金利時代には高い返戻率を誇り、高利回り商品である学資保険ですが、将来的にこの状況がずっと続くとは限りません。

学資保険は18年ほど利回りが固定されてしまう固定金利商品です。

バブルのように年利8%、9%となれば、相対的に低い返戻率となってしまうのです。

インフレが進めば学費も上がる

インフレとは物の値段が上昇し、お金の価値が下がることです。

昔は自動販売機で¥100でジュースが買えましたが、今は¥150出さないと買うことができません。これがインフレです。

教育資金で考えてみましょう。

現在大学入学時に必要なお金、入学準備金+一年目の在学費は国公立大で約180万円、私立文系でやく250万円程となっています。

そのため学資保険の満期金額は200万円~250万円が多いのですが、それでは18年後、実際子供が大学に入学する際、この費用が値上がりしてしまったらどうでしょう。

入学準備金+在学費で300万円に値上がりしていたら、せっかくの学資金が足りません。

このように物価の上昇=インフレに弱いのが学資保険のデメリットです。

【対策】金利上昇・インフレに有効な変額保険

金利上昇・インフレ対策には、学資保険と変額保険を組み合わせることをおすすめします。

変額保険とは契約者から預かった資産を運用して、その運用実績に応じて満期の保険金や解約返戻金が増減するものです。

簡単に言うと、インフレになり金利が上昇すれば運用実績も上がるので、受取るお金が増えるのです。

もちろん減ってしまうリスクもあるわけですが、今より低金利になることはあまり考えられませんから、学資保険と半々の額で契約するのはおすすめです。

デメリット3 預貯金と違いペイオフが適用されない

積立定期預金など、預貯金と比較されることも多い学資保険ですが、違いは銀行や保険会社が破綻した時に表面化します。

ペイオフとは?

銀行など金融機関が破綻した場合、1,000万円までの預貯金は預金保険法によって保護されます。

これがいわゆるペイオフです。

学資保険にはペイオフが適用されない

一方生命保険会社にペイオフは適用されません。

ただ全く保護されないのではなく、全ての生命保険会社に加盟が義務付けられている、生命保険契約者保護機構が一定の基準まで保護します。

具体的には各保険会社が将来の保険金などの支払いのために積み立てているお金(責任準備金)の9割までは保障されます。

ただし残りの1割については業務を引き継いだ保険会社の対応により変わってきます。

また引き継ぎ保険会社は継続した保険の予定利率を引き下げることもできます。

つまり1割は失う覚悟が必要なわけです。

この点が預貯金に対する学資保険のデメリットです。

【対策】保険会社の基礎体力をしっかりと知る

ペイオフが問題になるのはあくまでも保険会社が破綻した場合です。

そこで重要なのが、“保険会社の基礎体力=財務の健全性”です。

その基礎体力をはかるのには次の2つの指標が非常に重要です。

・格付けをチェック

芸能人格付けチェックなどでも有名な格付けですが、本来は各国の国債 や会社の支払能力など、信用力を数値化したものです。

有名なところですと海外では「ムーディーズ」や「スタンダード&プアーズ」、国内では「JCR(日本格付研究所)」や「R&I(格付投資情報センター)」が信頼できる格付けを行っています。

「生命保険/格付け」で検索すると保険会社の格付け一覧が確認できます。

学資保険を検討している保険会社をチェックしてみてください。

格付けだけで判断するわけにはいきませんが、上位であれば安心できる材料になります。

・ソルベンシーマージン比率に注目

ソルベンシーマージン比率とは聞き慣れない言葉だと思います。

しかしこれは保険業界では広く知られる、保険会社の財務健全性を示す重要な指標。

簡単に言うと「戦争や大災害、株の大暴落など通常の予測を超えて発生する金融リスクに対応できる支払余力をどれだけ持っているか。」という指標です。

仮に史上最大の大震災が起き、その保険会社の契約者全員が亡くなったとしましょう。

当然保険金を支払うわけですが、全員に払うだけの資金があると、ソルベンシーマージン比率は100%です。

ただ100%では資金が底をつき、その後の経営が成り立ちません。

そこで監督省庁である金融庁は、各保険会社にソルベンシーマージン比率200%保持を義務付けています。

ちなみに学資保険で有名なソニー生命のソルベンシーマージン比率は、平成28年度末で2,568.8%(ソニー生命保険株式会社発表)です。

これは契約者全員に25回保険金を払うだけの資金があるということ。

安心の一つの目安になりますね。

デメリット4 元本割れの可能性がある

預貯金の場合、18年の積立期間のうち10年を過ぎたところでやめても当然10年分の積立金と利息を受取ることができます。

ところが預貯金とは仕組みの違う学資保険では中途で解約すると思わぬデメリットを受ける可能性があります。

中途解約すると元本割れになる可能性がある

契約者が支払う保険料は実は2つに分かれます。

一つは将来の満期金、保険金に充てられるための「純保険料」。

もう一つは保険会社の運営経費に相当する「付加保険料」です。

純保険料は“将来”のためのお金ですが、付加保険料は“今現在”も必要なお金です。

そのため契約期間の初期の段階では付加保険料に厚く、純保険料には薄く充当されます。

そして契約期間が進むにつれ、純保険料に充当される割合が増えていくのです。

ということは、契約した初期段階例えば3年目や5年目では純保険料が十分に貯まっていません。

そのため早期に解約すると、本来支払った額より少ない額しか戻ってこない=元本割れを起こすわけです。

【対策】お金が必要な時は、契約者貸付で対応

学資保険のような貯蓄型の保険の場合契約して何年か経つと、純保険料が貯まって『解約返戻金』というものが発生します。

これが中途解約した時に受取ることのできるお金です。

ほとんどの保険会社ではこの解約返戻金を担保にして、『契約者貸付制度』というサービスを行っています。

これは現在の解約返戻金の範囲内でお金が借りられるという制度。

もちろんお金をかりるわけですからいつかは返さなくてはなりませんし、利息もかかります。

ただ銀行のカードローンなどに比べると利息も安いので、どうしてもまとまったお金が必要なピンチにはありがたいサービスです。

契約を解約してしまうと元には戻りません。

お金が必要な時はこの契約者貸付制度でしのぐことをおすすめします。

デメリット5 死亡保障と考えると、保障額が低い

契約者である親に万が一のことがあった場合

学資保険には通常『払込免除特約』というものがついています。

これは保険期間中に契約者である親に死亡など万が一のことがあり、保険料の払込が出来なくなった場合、以後の保険料の払込が免除されるというものです。

もちろん学資金は100%受取ることができます。

この“親に万が一のことがあっても100%の学資金を受け取ることができる”という点が学資保険の保険たる所以なのです。

しかし考えてみてください。

一家の大黒柱である父親に不幸があった場合、学資保険の200万円程度でその後残された家族は生活ができるでしょうか?

学資保険は高い貯蓄性を確保するために死亡保障を低く抑えています。

これが学資保険の他の保険商品に対するデメリットです。

【対策】コストを抑えた必要期間だけの定期保険で死亡保障を用意する

一家の大黒柱の父親が他界して“経済的に”困るのはいつでしょうか。

通常は子供が生まれてから学校を卒業して就職するまでです。

もちろん結婚費用を用意してやりたい等、希望はいくらでもありますが、本当に困るのはこの20数年間です。

そこでこの20数年間だけ、少し多めの数千万の定期保険に加入します。

そしてお子さんが学校を卒業して自立したら『減額』すればいいのです。

夫婦2人であればそんなに高額の保険金は必要ありません。

そして共済を含む掛け捨ての定期保険は、保険商品の中で最もリーズナブルに加入できるものです。

コストを抑えた掛け捨ての定期保険と学資保険で、保障と貯蓄の両立をはかるのがおすすめです。

まとめ

さて学資保険のデメリットとその対策について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。

紹介したデメリットと対策は

1 返戻率が低い場合がある→支払期間の短縮や保障の切り離しを考える
2 金利上昇やインフレに弱い→変額保険との併用を検討
3 ペイオフが適用されない→保険会社の財務健全性をしっかりとチェックする
4 早期解約時、元本割れの可能性がある→契約者貸付制度を活用する
5 死亡保障で考えると保障が低い→掛け捨ての定期保険との併用

でした。

このようにデメリットもある学資保険ですが、上手に対策をすればメリットが活きてきます。

ぜひ活用してみてください。

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